133: 円覚経大疏鈔
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十三巻

華厳と禅の正系をもってみずから任ずる圭峰宗密が、もっとも意欲を涌かせた主著の一つ。詳しくは、「円覚経大疏釈義鈔」。宗密は中年にして儒より仏に入り、偶然にも『円覚経』を得ると、これを生涯の思想の根拠とするのであり、この書は単なる注釈にとどまらぬ独自の主張を含む。特に本来は『円覚経大疏』のために加えられた裴休の序を、みずから注する巻首の一巻や、本書三之下のごときは圧巻である。ただし、本書は永く写本として伝わり、中国では一度その伝を断つ。高麗の印本によって新たに紹興戊午(一一三八)に開版されたものが、現在の祖· {であり、テキストにも問題が多い。宗密の他の著作、たとえば『円覚経略疏鈔』四巻(正蔵三十九)などとあわせて検討する必要があろう。