044: 観心論
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一巻

大通禅師神秀(六〇六?-七〇六)の作。十三段の問答により観心の要を述べた初期禅宗の綱要書の一つ。天台智&C0-F3AA;の同名の作品に傚ったもの。ただし、従来は菩提達摩の作として『破相論』の名で伝えられ(『少室六門』三)、神尾弌春が朝鮮伝来の本と敦煌本を比較研究して「観心論私考」(「宗教研究」新九-五)を発表し、慧琳の『一切経音義』百によって、神秀の作と断じた。朝鮮でもまた達摩の作として伝え、安心寺版には天順癸未(一四六三)の朴移成の序がある。竜大本は、金沢文庫本とともに秀氏祐祥·鈴木· 蜷??らによって『修心要論』とあわせ紹介され、特に鈴木の「達摩観心論(破相論)四本対校」(「大谷学報」十五-四、十六-二、十七)は、当時知られたすべてのテキストによる本文研究であり、のちに敦煌本の新しい紹介とともに五本対校となる(「鈴木大拙全集」別巻二)。『観心論』の名は、紹興二十一年(一一五一)の『群斎誌書志』十六に見え、魏菩提達摩作とされ、日本でも源信の作と伝える『真如観』に達摩和尚破相論の引用があり、日本達摩宗がこの書に拠ったことは、経豪の『正法眼蔵· 苺??書』にも見える。特に、日本伝来のものには無名僧序、大唐会昌五年(八四五)越州&C0-D0E6;県&GJFE4C;洲子&C0-C5C7;朗書の奥書があり、その伝来を知るに足る。なお、最近ウイグル語訳のテキストが発見されて、この書流布の範囲はさらに広がった。