147: 明覚禅師語録
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六巻

雲門下四世、雪竇重顕(九八〇−一〇五二)の語録と偈頌の総集。正蔵に収めるのは、崇禎七年(一六三四)に出版された方冊本であるが、すでに洪武(一三六八−九八)初年に開版をはじめた南蔵に入蔵している。雪竇の語は、すでに北宋の刊本があった。『祖庭事苑』一−四に語釈を収める『雪竇洞庭録』『雪竇後録』『雪竇瀑泉集』『雪竇拈古』『雪竇頌古』『雪竇祖英集』上下、『雪竇開堂録』『雪竇拾遺』の八部九巻がそれで、編集はすでに生前にはじまり、すべて七集があったという(塔銘) B現在の明蔵本は、七集より頌古一巻を除き、他の部分についても序跋を省いて本文を改編している。詳しい本文批評は、宋版を覆刻した五山版その他の本との校合を要し、近くは「大日本校訂蔵経」第三十一套に収める明本が、他本によって序跋を加えているのや、「四部叢刊」続編に収める宋版の『雪竇顕和尚明覚大師頌古集』一巻、『拈古』一巻、『瀑泉集』一巻、『祖英集』二巻も参考となる。また、続蔵(二−三十一)が別行本によって収める開禧元年(一二〇五)の徳雲の題詩や、天聖四年(一〇二六)の曾会の序も、それらの編者と成立事情を知るに足る 烽フがある。『瀑泉集』と『祖英集』はわが国では詩文の理想とされて、単行で読まれるのが一般であり、『頌古』と『拈古』の二巻は『碧巌録』『撃節録』の成立をあわせ考えるのに役立つ。さらに、『続開古尊宿語要』の本は、抄録ながら古い『開堂録』の一部とみることができ、『御選語録』の本は、雪竇に対する歴代の変らぬ関心を語るもの。それら本書の成立については、永井政之の「雪竇の語録の成立に関する一考察」(駒沢大学大学 @「仏教学研究会年報」六)がすぐれる。